はじめに
巷で効果がある/効果がないといつも論争になるアーシング.
アーシングとは、
バッテリーのGNDに戻る電気の通り道を配線することである.
特に点火系の中心であるプラグは、普通プラス側しか結線されておらず、
エンジンヘッドを介して、シャーシにつながり、
さらにバッテリーやレギュレータに接続されている.
こういったグランド側の経路は,
経年劣化や接触抵抗により若干の抵抗値を持つため,
これを直接結線することで抵抗を下がり,始動性向上やヘッドライトが明るくなる、
などといった効果がちまたでは噂されている.
今回93年式バリオスにて実施してみたので結果をレポートする.
必要なもの
作業
アーシングについての報告は、かなりの数が行われているが、まとめてみると、
- バッテリー
- オルタネータ
- レギュレータ
- エンジンヘッド
などがアーシングのターゲットになっている.
今回は、バッテリーマイナス端子とエンジンヘッドを配線したのみである.
理由は以下のとおり
- オルタネータは、三相交流であり、また配線図を見ても必要性が皆無
- レギュレータの筐体とマイナス端子の導通チェックを行ったが,絶縁されていた
したがって,エンジンヘッド左右とバッテリーのマイナス端子間に2本配線した.
事前にバッテリーマイナス端子とエンジンヘッドの抵抗を計測したが、
秋月のデジタルマルチメーターでは、0オームとなってしまった.
一方、アーシングキットの端子間は0.0001オーム.
アーシングキットの方が高いやんけ、というツッコミはなしだ.
エンジンヘッドは4つのボルト(10mm)で止まっている.
カワサキ車はヘッドからのオイルにじみが多数報告されているため、
躊躇するところだが、このレポートのためにボルトを外して結線した.
若干、アーシングキットの穴が小さいため、リーマーを使い拡大加工を行い結線.
本来トルクレンチを使うところだが、面倒くさいので、手ルクレンチで代用した.
写真は右側から.
こちらは左側から.
1番2番、3番4番の対称性を重視し, 左右1本ずつ配線した.
こんな感じでタイラップで固定しながらバッテリーまで配線する.
バッテリーのところはうまくまとめましょう.
最後に
はじめから疑ってかかったアーシングだが,
実はプラシボ効果以上の効果はあったように思う.
主に低速の場合だが、
- ノッキングが減った
- シフトダウンしたときの回転上がり方が滑らかかつすばやくなった
という感じだ.また抵抗感も少なくなり、これなら燃費も良くなりそうだ.
以上が調査報告である.
今回アーシングにより改善された理由を考えるに、
直流抵抗は0であるのだが、
交流抵抗としてL成分が入っているということが考えられる.
今後の詳細な検討が待たれる.
エンジンヘッドなどは、
ガスケットにより本体に固定されていることを忘れてはならないだろう.
また、webmasterのバリオスが93年式と製造から13年が経過していることを忘れてはならない.